G7サミットを終え、記者会見する安倍晋三首相=27日、イタリア南部シチリア島のタオルミナ近郊、岩下毅撮影
安倍晋三首相は訪問先のイタリア南部シチリア島のタオルミナ近郊で27日午後(日本時間同日夜)、主要7カ国首脳会議(G7サミット)の終了後に記者会見した。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮について、サミットで「東アジアにとどまらず、世界全体の脅威」との認識を共有し、圧力強化で一致したことなどを成果と位置づけた。
「北朝鮮の脅威、伝染病のように世界に」 首相会見要旨
首相は「G7(サミット)において、初めて北朝鮮問題が最重要優先課題として取り上げられた」と強調。北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させるため、G7が制裁を強化する用意があることで一致したと述べた。また、「北朝鮮と国境を接する中国やロシアをはじめ、国際社会全体に結束と行動を呼びかけたい」とした。
会見では「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案にも言及。「国際社会と協調し、テロの脅威を含む組織犯罪への取り組みを強化することは重要」と意義を強調した。また、「参院でも丁寧な説明を心がけ、(今国会で)確実な成立を期したい」と語る一方、6月18日までの国会会期の延長については「国会が決めることだ」とした。
会見に先立ち、首相は27日午前(日本時間同日夜)、グテーレス国連事務総長と約10分間、会談した。日本政府の説明によると、首相は「いまは北朝鮮への圧力を強化すべきで、中国の役割がカギ」と主張。グテーレス氏は「北朝鮮に圧力をかけるためのツールを国連安全保障理事会は有する。関係国との間でも北朝鮮問題を真剣に取り上げる」と述べたという。(タオルミナ近郊=内田晃、下司佳代子)