米軍キャンプ・シュワブでは、クレーンでつり上げられた砕石が海に投入されていた=25日午後2時25分、沖縄県名護市、福岡亜純撮影
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画で、名護市辺野古の沿岸部を埋め立てる護岸工事が始まって1カ月が過ぎた。反対派の座り込みは今も連日続き、工事車両を通すため機動隊が強制排除を繰り返している。護岸が少しずつ形を見せ始める中、県は法的な対抗手段に踏み切るタイミングを計る。
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■「ごぼう抜き」
那覇市から高速道路を経て車で1時間。名護市辺野古にある米軍キャンプ・シュワブの「工事用ゲート」周辺には、午前7時前から自家用車やマイクロバスに分乗した反対派の人たちが集まり始めた。
工事車両を出入りさせないため、座り込む。人数はやがて150人ほどになったが、午前中は結局、工事車両は行き来しなかった。「多くの人が集まったので、今日は搬入しないかも」。そんな会話をして多くの人が昼食のために現場を離れた午後0時45分ごろ、突然、基地内に待機していた警察の機動隊員約50人が隊列を組んで現れた。
ゲート前に残っていたのは20人ほど。機動隊は、「配置!」との命令を合図に、腕を組んで座り込む人を1人ずつ引きはがす。「ごぼう抜き」と呼ばれる強制排除だ。「痛い痛い。人間なのよ」。高齢の女性が声を上げる。機動隊員は「歩ける人は歩いてください」と怒鳴った。
反対派の人たちが、警察車両と…