口を開けるクエ。気持ちよさそうだ=大阪市港区の海遊館、多鹿ちなみ撮影
大阪市港区の水族館「海遊館」に「魚の敏腕マッサージ師」と呼ばれる人がいる。ダイバーとして水槽の掃除を担っている吉国卓哉さん(25)。いかつそうな顔のクエも吉国さんの手にかかると、うっとりしたような表情に。実は、魚の健康管理にも役立っている。
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5月中旬、ジンベエザメも含め約60種類の魚がいる同館最大の水槽。本来の仕事である掃除が終わると、吉国さんの近くにハタ科の魚が5匹ほど集まってきた。クエに手を伸ばしエラをなでると、口を開けて、気持ちよさげだ。すると横からスッとヤイトハタが寄ってきて、じっと順番を待った。来館者は「気持ちいいんだ」「されるがままやん」と驚いていた。
ダイバー歴5年の吉国さん。3年ほど前、ヤイトハタの口の周りの寄生虫を指ではらってやると、その後、他のハタ科の魚も目が合うと寄ってきたり、ついてきたりするようになった。寄生虫がいなくなっても、触ってほしそうに近づいてくるという。
水槽にはホンソメワケベラとい…