世界銀行は4日、年2回公表している世界経済見通しを発表した。日本の2017年の成長率見通しは1・5%で、前回1月の予想(0・9%)から上方修正した。世界全体の成長率は2・7%と前回予想を維持したものの、トランプ米政権の政策の不確実性などがリスクだと指摘している。
日本については、輸出や設備投資の伸びなどで昨年(1・0%)から成長が加速すると分析。ただ、18年は1・0%、消費増税が予定されている19年は0・6%に減速するとしている。
今年の世界全体の成長は、貿易や資源価格の改善などで、昨年(2・4%)からは加速するとした。新興国全体の成長予想は引き下げたものの、日本や欧州などの先進国が想定より強い成長になるとして、「貿易相手国である新興国や途上国にも恩恵をもたらす」としている。
一方、米国の今年の成長率見通しは2・1%として、前回から0・1%幅引き下げた。トランプ政権が保護主義的な政策を掲げるなか、貿易規制の強化や政策の不確実性が世界経済の成長を阻害するおそれがあるとして、「見通しには大きなリスクが影を落としている」と警告した。(ワシントン=五十嵐大介)