警視庁に移送される大坂正明容疑者(後列中央)=7日午後、大阪市福島区、加藤諒撮影
1971年11月に過激派・中核派の学生らが警察官を殺害した渋谷暴動事件で、指名手配され、約46年間逃亡していた活動家の大坂正明容疑者(67)について、警視庁は7日午前、殺人や現住建造物等放火など五つの容疑で再逮捕し、発表した。大坂容疑者は逮捕状を執行された際、無言のままだったという。
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公安部によると、大坂容疑者は71年11月14日午後3時20分ごろ、東京都渋谷区神山町の路上で、中核派のデモを警備していた新潟県警の中村恒雄巡査(当時21、殉職後に警部補に昇進)を取り囲み、仲間と共謀して鉄パイプや竹ざおなどで頭や肩を多数回殴り、火炎瓶を投げつけて炎上させ、殺害した疑いがある。この事件ではすでに男6人が殺人容疑などで逮捕され、実刑判決を受けている。警視庁は事件後、消息が途絶えていた大坂容疑者の足どりを調べ、逃走生活の解明を進める。
大阪府警は5月18日、広島市安佐南区にある中核派の非公然アジトを捜索し、大坂容疑者とみられる男を発見。ぶつかってきたとして公務執行妨害容疑で現行犯逮捕し、DNA型や顔の骨格鑑定、顔写真の解析などで本人と特定したという。
大坂容疑者は渋谷暴動事件当時、千葉県内の大学の学生で、中核派全学連の幹部だった。