東京都議会は7日、豊洲市場(江東区)の用地取得をめぐる経緯などを検証してきた調査特別委員会(百条委員会)で虚偽の証言をしたとして、浜渦武生・元都副知事らを地方自治法違反(偽証)の疑いで捜査機関に告発することを決めた。3月以降、石原慎太郎元知事らの証人喚問などを行ってきた百条委は全ての議事を終了した。
豊洲移転問題
都議会局によると、都議会が百条委で偽証した疑いで告発するのは64年ぶり2回目。7日の本会議では浜渦氏らの偽証を認定した後、告発を求める動議が出され、公明党、民進党系会派、共産党、都民ファーストの会、生活者ネットワークなどの賛成多数で可決した。自民党と3人の無所属は反対した。
告発が決まったのは浜渦氏と、同氏の部下だった赤星経昭(つねあき)氏で、2000~01年に東京ガスから市場用地を買うための交渉を担当した。動議によると、2人は今年3月と4月の証人喚問で、01年に都と東ガスが土壌汚染対策などについて結んだ確認書の存在や内容を知っていながら「知らない」と証言するなどしたとされる。都議会はこうした偽証について「真相究明に重大な影響を与え、看過できない」とした。今後、警視庁と東京地検のどちらかに議長名で告発する。
赤星氏は告発の議決に対し「過去の記憶に忠実に証言した。極めて理不尽な決定だ。名誉回復のため、法的手段を含めて弁護士と相談する」とのコメントを出した。浜渦氏は4月に記者会見し、偽証を全面的に否定している。
浜渦氏は05年にも、都社会福祉事業団の運営を巡る百条委での証言が偽証と認定されたが、直後に副知事を辞職したため、告発はされなかった。(小林恵士、別宮潤一)