埼玉県上尾市発注のゴミ処理施設「西貝塚環境センター」の業務の入札情報を業者に漏らしたなどとして、市長や市議会議長らが逮捕された事件で、この業者が2年前に同センターの別の業務を落札した後、市から契約を解除されていたことが、県警や市議会関係者への取材でわかった。
埼玉・上尾市長と議長を逮捕 入札情報漏らした疑い
この業者は設備管理会社「明石産業」(本社・さいたま市)。入札の記録によると、同社は2015年2月に行われた同センターの本体業務「運転管理業務」の一般競争入札に参加し、4億5780万円で落札した。
しかし入札直後、市議会関係者らに「政治的圧力があった」などと書かれた告発文書が送られ、当時の市議会でも取り上げられた。同年3月中旬、市は契約を解除。「責任者などの実務経験が確認できなかった」として、契約の条件を満たしていないと判断したという。当時の議事録によると「口利きなどあったか」との市議の質問に市側は「事実として一切ございません」と否定している。県警はこの入札でも不正がなかったか、経緯を調べる。
県警は31日朝、市長の島村穣(みのる)容疑者(73)、市議会議長の田中守容疑者(72)、明石産業社長の山田明容疑者(82)ら4容疑者を送検した。