仏総選挙の予想獲得議席
フランス総選挙(下院選、定数577)の第1回投票が11日あり、即日開票された。仏内務省によるとマクロン大統領の新党「共和国前進」が28・2%の得票率でトップに立った。ほとんどの選挙区で議席確定は18日の決選投票に持ち越されているが、仏公共放送は、マクロン陣営が、連携する中道政党「民主運動」とあわせて定数の3分の2超にあたる415~455議席を得るとの予測を伝えた。
マクロン旋風、避けられぬ政界再編 仏総選挙11日投票
内務省によると、その他の政党の得票率は中道右派・共和党が15・8%、中道左派・社会党が7・4%。連携する政党とあわせた、それぞれの獲得議席数は70~110、20~30と予測されている。共和党は現有議席がほぼ半減、社会党は1割ほどに激減する水準で、既成政党に属さずに大統領の座についたマクロン氏が勢いを保って圧勝し「1強」を実現する見通しだ。
マクロン政権は閣僚に左右両派から政治家を引き抜き、総選挙でも両派の人材を吸い寄せてきた。フィリップ首相は「大統領選に続いて、政治の刷新や国民の結集への信認が示された」と強調した。
総選挙を経て、左右2大政党の退潮とともに政界再編が加速するのは確実だ。ただ、巨大与党の誕生が見込まれる結果に対して、各党から「民主主義が危機にさらされる」と警戒する声が出ている。
一方、右翼・国民戦線(FN)は、ルペン党首がトップで決選に進むなど全体で13・2%の得票を得たものの、決選では「反FN包囲網」ができやすく、獲得議席は1~5と予測されている。また大統領選の最終盤で急伸した左翼メランション氏の「不服従のフランス」は11・0%の得票率で、8~18の議席を得る見通しという。
仏国民議会(下院)は小選挙区制で争い、有効投票の過半数を得る候補がいない場合、上位2人と、有権者数の12・5%の得票があった候補が決選投票に進む仕組み。
投票率は48・7%。仏メディアによると、総選挙の第1回投票としては過去最低だった。有権者になじみがない新顔候補が多数立候補したほか、マクロン政権の圧勝を予測する声がすでに出ていたことなどが背景にあるとみられる。(パリ=青田秀樹)