「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案について、自民、公明両党は12日、週内に参院法務委員会と参院本会議で採決、成立させる方針を固めた。野党は金田勝年法相の問責決議案や安倍内閣不信任決議案を提出して抵抗する構えだが、与党はこれらを否決し、18日までの会期内成立にこだわる考えだ。
特集:共謀罪
安倍晋三首相は12日、自民党役員会で「共謀罪」法案について「今国会で確実に成立させる」と重ねて表明。松山政司参院国会対策委員長も参院国対幹部と会期内成立方針を確認した。
参院法務委は12日の理事会で、13日に参考人質疑を行い、その後に質疑を4時間行うことを秋野公造委員長(公明党)の職権で決めた。自民、民進の参院国対委員長会談で民進の榛葉賀津也国対委員長が「13日の法務委で採決しないと確約すべきだ」と求めたが、松山氏は拒否した。
野党はこうした与党の姿勢に反発し、法相問責決議案や内閣不信任案の提出を検討している。提出された場合、与党は否決し、週内に「共謀罪」法案の採決を押し切る方針。野党の抵抗で会期延長が必要になった場合の延長幅も最小限とし、野党が要求した「加計問題」の集中審議にも応じず閉会させる考えだ。