2児の死亡について説明する川崎市健康福祉局の坂元昇医務監(右)ら=14日夜、川崎市役所
川崎市川崎区の私立大師幼稚園で4歳児2人が相次ぎ死亡した問題で、2人が同じクラスだったことなどから感染症による病死の疑いもあるとして、市は原因究明を進めている。死亡した男児と女児では発症時期や死に至る経緯が異なっており、採取した血液を詳しく調べているという。地域では小さな子どもを抱えた保護者らから、「早く原因を知りたい」「不安だ」といった声が上がった。
同じ幼稚園の園児2人死亡 感染症の疑い調査 川崎
「できるだけ早く手を打つのが、(感染症の疑い事例での)常道だ」。14日夜に緊急会見した市の坂元昇・医務監は強調した。市は感染症予防法に基づき、国立感染症研究所の協力も得て、2人が感染症だったのか、感染症なら同一なのか、血液検査や関係者への聞き取りを進めて調べている。だがウイルスや細菌の特定に必要な血液は少量といい、結論を導くには一定の時間がかかる見込みだ。
市によると、先に亡くなった女児に吐くなどの症状が現れたのは4日。6日未明に容体が急速に悪化し、救急搬送先の市立川崎病院で死亡が確認された。一方、男児は女児の発症から1週間ほどした12日朝に発熱し、その日のうちに症状が急速に悪化。やはり救急搬送された川崎病院で亡くなった。
病院から連絡を受けた川崎署が市に情報を提供。市は私立幼稚園を所管する県私学振興課に連絡した。
3~5歳児約200人が通う園は、13日から18日までの予定で自主休園している。金曜日だけ外部から給食を調達し提供。飲料水用の浄水器があるが、6月は園児が水筒を持参していた。ほかに重い症状を訴える園児らは確認されていないという。坂元医務監は「万一、感染症だとしても、新型インフルエンザといった恐ろしいものではないと思われる。今のところ、市民が心配するような広がりもない」と強調。今後も正確な情報提供に努めるとしている。(河井健)