核兵器禁止条約の制定を求めてデモ行進する被爆者ら=17日、ニューヨーク・マンハッタン、松尾一郎撮影
核兵器禁止条約の交渉会議が開かれている米ニューヨークの中心部で17日、数百人が条約の成立を求めてデモ行進をした。国際女性団体「婦人国際平和自由連盟(WILPF)」の主催。渡米中の広島・長崎の被爆者も加わり、「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」と声を上げながら、約1・5キロを歩いた。
特集:核といのちを考える
国連本部近くの広場では参加者が交代で演説した。長崎で被爆した和田征子さん(73)=横浜市=は「原爆がもたらした苦しみが繰り返されないよう被爆者は訴え続けてきた」「ともに核兵器の禁止を実現しましょう」と訴えた。条約交渉会議の議長国コスタリカのホワイト大使も登壇し、被爆者らが届けた条約成立を願う約300万筆の署名に言及し、「条約制定に努める」と強調した。
デモ行進に参加した被爆者の箕牧智之(みまきとしゆき)さん(75)=広島県北広島町=は「土砂降りなのに、これだけの人が『ヒロシマ、ナガサキ』と、叫んでくれた。この上なくうれしく、感謝している」と話した。
雨が降る中、和田さんの話に聴き入っていたニューヨーク在住のブレイス・デュプイさん(51)は、「2度と使われてはならない兵器。今度の条約で違法になることを望んでいる」と話した。(ニューヨーク=真野啓太)