ローソンの竹増貞信社長
■ローソン 竹増貞信社長に聞く
社員のワーク・ライフ・バランスを高めるには、生産性の向上が必要です。これがやれない企業は今後、残っていくのは難しいのではないでしょうか。ローソンはここ1年半ほど、特に加盟店を回って経営支援をする社員の業務改革に力を入れてきました。
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最初は社員たちは懐疑的でした。業務改革というと、会社が数年ごとに言い出すけど、結局は変わらない……。そんな「波」がまた来ただけではないかと。でも、今回は違います。仕事を徹底的に洗い出し、専門チームで必要な仕事かどうかを精査しました。
廃止するだけでなく、デジタル化したり、外部委託したり。細分化すると約300項目に及ぶ仕事量は3分の1に減らしました。浮いた時間で、社員は加盟店店主と向き合い、店舗の改善について話し合うという本来の仕事に集中できます。
以前、私が「店の棚の入れ替えはうまくいったのか」と尋ねたら、本社からパーッと指示がいって、全店舗の写真が送られてきたことがありました。でも、そこで変な写真を送ってくる社員はいないから、実態は見えてこない。客の方を見るべき現場が、本部を見て仕事していないか? 見直しの中で、こういう仕事もなくしました。
働き方の改革は、現場視点を取り戻すことにもつながります。(聞き手・和気真也)