全柔連の臨時理事会後、握手を交わす山下泰裕(左)、宗岡正二の新旧会長
全日本柔道連盟は23日、東京都内で臨時理事会と評議員会を開き、新会長に山下泰裕・同連盟副会長(60)が就任した。任期は2年。山下新会長は記者会見で、「安全安心で、礼節を重んじ、誰もが憧れる柔道界をつくるため全身全霊を傾ける」と抱負を述べた。
登録人口、右肩下がりに歯止め期待 全柔連山下新会長
2020年東京五輪へ向けた日本柔道のかじ取りを担う新体制。山下新会長は「選手が伸び伸びできるよう、外回りの環境を整えることが私の仕事」と話し、「メダルの数より色にこだわりたい。金メダルは、リオデジャネイロ五輪(三つ)の倍を目指していく」と目標を示した。
指導者による暴力問題など相次ぐ不祥事から組織の立て直しに務めた宗岡正二会長(71)=新日鉄住金会長=は「全柔連改革はそれなりに進展した。重大事故など残っている問題は、きちっと山下さんがやってくれると思う」と話した。
新体制では副会長が従来の1人から3人に増え、東京で開かれる19年の世界選手権や東京五輪へ向けて組織を強化していく。
〈やました・やすひろ〉 1957年、熊本県生まれ。84年ロサンゼルス五輪で無差別級金メダルに輝き、同年、国民栄誉賞を受賞した。世界選手権3連覇、全日本選手権9連覇。東海大副学長。