「母親であることは、国の未来に本当の利害があるということだ」
女性2氏による一騎打ちとなった英国の与党・保守党首選で、最終候補の一人、エネルギー担当閣外相のアンドレア・レッドサム氏(53)の発言が波紋を広げている。2男1女の母である同氏に対して、もう一人の最終候補テリーザ・メイ内相(59)夫妻には子どもがいないためだ。
9日付の英紙タイムズが報じた記事によると、レッドサム氏はインタビューで「(メイ氏には)めいやおいがいるかもしれないが、私には子どもがいる」「子どもがいなくて悲しいでしょう」などと発言。レッドサム氏が、子どもがいる自分の方が、国の将来を左右する首相に適任だと示唆し、これにメイ氏の支持者から批判の声が上がったと報じた。
レッドサム氏は9日、声明で「記事の取り上げ方に憤慨している。誰もが社会と国の未来に等しく利害があるとはっきりさせたい」と記事の撤回を求めたが、タイムズ紙の記者はインタビューの該当部分の録音などを公開し、「発言をそのまま引用したまでだ」と反論している。
メイ氏は9日付の英紙テレグラフのインタビューで、夫との間に子どもができなかったことについて「向き合い、乗り越えた」と発言。「(首相の資質として)誰も気にしないと願っている。(子どもがなくても)私は人々に共感し、理解することができる」と述べていた。(ロンドン=渡辺志帆)