北京で池のほとりに腰掛ける高齢の男女=ロイター
■老いる巨龍――事件で見る中国の少子高齢化:4(マンスリーコラム)
「年老いて、連れあいが欲しかっただけなのに、子どもたちに反対される。私は残りの人生を孤独に過ごすしかないのでしょうか」
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マンスリーコラム
こう訴えるのは、子どもたちに反対されて再婚を諦めたという60代の女性、呉さんだ。中国西部、重慶市に住む。8年前に夫をがんで亡くした。
地元のニュースサイトによると、呉さんは、夫が亡くなり一人暮らしになってから、周囲に再婚を勧められることもあったが、ずっと断ってきた。中国南部の雲南省に住む娘夫婦に子どもが生まれ、孫の世話をするために、娘夫婦の家で3年間同居。孫が幼稚園に入ったのを機に、重慶に戻った。
その後、同じ重慶市内だが別の家に住んでいた息子夫婦にも子どもが生まれた。孫の世話をするために息子の家で暮らし、夫婦を助けて炊事や洗濯などもしてきた。
しかし、孫が大きくなるにしたがって、孤独感が深まった。息子夫婦がそばにいるとはいえ、やはり心のうちは話せないことが少なくない。
これからさらに老いていっても、子どもたちに面倒はかけたくない。年寄りにも、若い人たちとは違う、自分の生活がある。お互いに支え合える連れあいがほしい……。そう思っていた。
そんなとき、知人から、いくつか年上の男性を紹介された。会って話をすると、気が合う。男性には年金があり、家も持っているため、再婚すれば、経済的な心配もいらない。
しかし、男性について子どもた…