舞台の安全を祈願する市川海老蔵さんと長男の堀越勸玄ちゃん=29日午後7時43分、東京都中央区、長島一浩撮影
歌舞伎座(東京都中央区)の「七月大歌舞伎」で、親子での宙乗りを披露する歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(39)と長男の堀越勸玄(かんげん)ちゃん(4)が29日、同座で安全を祈願した。松竹によると、海老蔵さんの妻で勸玄ちゃんの母、小林麻央さんが22日に亡くなって以降、2人そろって取材陣の前に姿を見せるのは初めてという。
海老蔵、七月大歌舞伎で奮闘へ 勸玄とともに宙乗り披露
2人は、宙乗りなど特別な演出をする場合に舞台が無事に進行することを祈念する神事「修祓(しゅうばつ)式」に臨んだ。宙乗りが披露される夜の部「駄右衛門(だえもん)花御所(はなのごしょ)異聞(いぶん)」の大道具が舞台に配され、祭壇が設けられた。客席最前列に着座した海老蔵さんは稽古着にはかま姿、勸玄ちゃんは稽古着に羽織姿。2人は神妙な面持ちで舞台に上がり、玉串を奉納した。
歌舞伎座の氏神である鉄砲洲(てっぽうず)稲荷神社(同区)の中川文隆宮司が祝詞(のりと)をあげた。神事は約15分間。海老蔵さんは時折、勸玄ちゃんの様子を気にしていたが、式の終わりまで勸玄ちゃんは行儀よくしていた。
松竹によると、4歳での宙乗りは歌舞伎史上最年少になるという。「駄右衛門~」は、海老蔵さんが「古典でも新しく、わかりやすく、後世に残るものを」との思いで取り組み、大立廻(たちまわ)りや斬新な演出が盛り込まれている。
「七月大歌舞伎」は7月3日から27日まで。(米原範彦)