文部科学省は4日、藤原誠・初等中等教育局長(59)を11日付で官房長とする人事を発表した。藤原氏は現職に就いた16年6月まで官房長を務めており、異例の「出戻り」人事。同省の組織的な「天下り」あっせん問題で減給処分を受け、人事院規則で昇任できないため、こうした対応になった。
天下り問題で停職処分を受けた元人事課長の藤江陽子氏(53)と藤原章夫氏(53)もそれぞれ、スポーツ庁審議官と文化庁文化部長と、処分時と同格のポストに就く。一方、学校法人「加計学園」をめぐる問題に対応してきた常盤豊・高等教育局長(58)は生涯学習政策局長に就き、後任に義本博司・総括審議官(55)を充てる。義本氏は、同学園の獣医学部新設をめぐって「総理のご意向」などと記された文書の調査を担当していた。
松野博一文科相は4日の会見で「適材適所を基本とした」と述べ、「新たな布陣で文部科学省が国民から信頼される組織となるよう」、行政を進めると抱負を語った。(水沢健一)