2019年に日本で開かれるラグビーのワールドカップ(W杯)で、日本が開幕戦(9月20日)で対戦する予定だったルーマニアの出場権が取り消され、ロシアが繰り上がる異例の事態になった。15日、国際統括団体、ワールドラグビー(WR)が発表した。
WRによると、欧州予選を兼ねた大会の審判選任を巡る問題で紛争解決の委員会をWRが設置。そこに、代表資格を持たない選手が参加していた疑惑が持ち上がり、ルーマニア、スペイン、ベルギーの違反を認定した。罰として勝ち点を減らした結果、欧州予選3位のロシアが繰り上げで出場権を獲得した。ラグビーはサッカーと違って、国籍主義ではなく、所属協会主義を採用しており、当該国に3年間継続して住んでいれば代表チームに入れる規定がある。今回は条件を満たしていなかったとみられる。
WRは14日間の異議申立期間を設けており、ロイター通信などによると、ルーマニア協会は申し立てをする方針という。
ロシアの出場が認められれば、4戦全敗だった11年大会以来2回目。第1回から8大会連続出場していた東欧の強豪ルーマニアは初めて不参加となる。
日本が入る1次リーグA組には、アイルランド、スコットランドが組み込まれているほか、「欧州・オセアニアプレーオフ」の勝者も加わる。
欧州予選2位が進む予定だったポルトガルとのプレーオフにはドイツが出場することになり、勝者が本大会切符を懸けてサモアと戦う。(稲垣康介)