4野党会談に臨む民進党の野田佳彦幹事長(中央)ら=4日午後1時、国会内、岩下毅撮影
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題をめぐり、自民党が国会の閉会中審査の実施と前川喜平・前文部科学事務次官の招致に応じた。だが、安倍晋三首相が出席する予算委員会の集中審議は拒否。これで、東京都議選で惨敗する原因になった疑念の払拭(ふっしょく)につなげられるのか。
前川氏を10日参考人招致へ 自・民、閉会中審査で合意
前川氏は4日、参考人招致に「応じる」としたうえで、「尋ねられたことにはきちんと答えたい」とのコメントを出した。加計学園の国家戦略特区での獣医学部新設について、前川氏は朝日新聞のインタビューや記者会見で「行政がゆがめられた」と繰り返し指摘してきた。10日の閉会中審査でも、改めてこうした主張をするとみられる。
前川氏が特に指摘しているのが、獣医学部新設の検討に入る前提として、2015年6月に閣議決定された「4条件」が満たされたのかどうかだ。前川氏は獣医師全体の動向や、獣医師が対応すべき新分野での具体的な需要見込みといった4条件が満たされないまま、内閣府主導で「極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われた」としている。
安倍首相は国会答弁などで「一点の曇りもない議論をしてきた」と反論しているが、前川氏が国会の場で改めてこうした指摘をすれば、政府は正面から答える必要が出てくる。
さらに、加計学園の獣医学部新…