証券会社が開いたイデコのセミナーには20~30代の若い世代が多く集まった=東京都千代田区
個人型の確定拠出年金(DC)の「iDeCo(イデコ)」が、若い世代の関心を集めています。今年1月からほぼ全ての人が入れるようになり、金融機関がPRを強めているためで、将来への不安から加入を検討する人も多いようです。ただ、注意点もあります。
6月中旬、大和証券が東京都内で早朝に開いた「イデコセミナー」。出勤前の会社員ら約30人が参加し、その半数を20~30代が占めた。
講師役を務めた同社の亀石悠香さんは、「60歳で定年退職した会社員の夫婦が公的年金だけで生活すると、80歳までで2700万円不足します」と切り出した。夫婦2人の老後の生活費に対し、公的年金だけだと月額約6万円不足する――。こんな総務省の家計調査などをもとにした試算を示しながら、イデコへの加入の必要性を説いた。
参加した都内の会社員男性(25)は「ベンチャー企業に勤めていて企業年金がない。イデコで将来に備えたい」と、加入に前向き。埼玉県の会社員男性(29)は「税の優遇で国がこれだけ推している制度なので、一度勉強してみようと思った」と話した。
イデコは、国民年金や厚生年金といった公的年金に上乗せされる「私的年金」の一つ。毎月、一定額を積み立てて金融商品で運用する。
メリットは税制上の優遇だ。ま…