豪雨で被災した福岡県朝倉市や大分県日田市などの一部で、携帯電話がつながりにくい状況が続いている。メールやLINE(ライン)、インターネットも同様。土砂崩れや倒木などで電線が切れた可能性が高いが、立ち入りできない地域が多く、復旧のめどはたっていない。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクによると、5日午後から携帯電話が通じにくくなった。ドコモは8日午後6時現在、福岡県の朝倉市、東峰村、熊本県の小国町、大分県の日田市の一部でつながりにくい状況だ。KDDIとソフトバンクも朝倉市や東峰村などで同様の状況という。基地局をつなぐ電線が切断されたか、停電で基地局から電波が送れなくなった可能性が高いという。
臨時的に移動基地局車を投入しているが、カバーできる範囲は基地局よりも狭いうえ、台数は限られる。
電話を持つ人の位置がわかるGPS(全地球測位システム)機能がついている携帯電話もあるが、基地局を経由して情報を伝える場合は機能しないという。
熊本地震や東日本大震災の時も同じような状況になったという。
3社は「災害用伝言板」の利用を勧めている。インターネットから親族や知人らに向けて安否に関する情報を登録したり、確認したりできる。災害の発生直後、電話が殺到すると、通信会社が規制をかけてつながりにくい状況が発生する。このシステムは通話でなく、データ通信を利用するので、こうした事態を避けられる。ただ、今回のように、電線の切断などで、通信がそもそもできない状態になると、使えない。(柴田秀並)