「定時退社」をアピールするために作られたTシャツやヘルメットを身につける、ヤッホーブルーイングの社員。時計は定時(午後5時)を指したままだ=長野県佐久市のヤッホーブルーイング佐久事務所
ユニークな名前のクラフトビールを次々と発売している「ヤッホーブルーイング」(長野県軽井沢町)が「定時退社協会」を設立した。定時に仕事を終え、ゆっくりビールを楽しんでもらおうという狙い。ホームページでは「定時に退社するための訓練」の様子も紹介している。実は架空の組織なのだが、インターネット上では「広まって欲しい」と話題だ。
「定時に帰りたいと願う すべての社会人におくる――」。訓練を紹介する動画は、こんなメッセージで始まる。登場する会社員たちは「いかに速く、パソコンでメールを打てるか」「部下の書類を承認するため、どれだけ素早くはんこを押せるか」などの訓練を繰り返す。体に鈴をつけ、「会議中、いかに鈴を鳴らさずにこっそり抜け出すか」といった訓練にも挑み、最後はビールで乾杯する。
5月下旬に公開されて以来、フェイスブックなどを通じた動画の視聴回数は26万回を超えているという。「協会」のホームページでは「今日は絶対定時退社します」というロゴが入ったTシャツなども紹介。実際には販売していないが、「欲しい」という反応は5千件を超えた。
フェイスブックなどでの受け止めも好意的だ。「全社員必須の研修にしようよ」「これは広まって欲しい活動」「こういう感覚好きだなー。もっと楽しいこと、うちも考えなきゃ」などのコメントが次々と寄せられている。
「協会」の理事長を務めるのは、ヤッホーブルーイングの井手直行社長(49)。「会社としては、退社後にビールを飲んでもらいたい。ただ、仕事を終えて早く帰れば、自分がやりたいことができる。ビールを飲むだけでなく、もっと楽しく、幸せな時間を増やしてほしいと願っています」と話す。
協会設立は今のところ、ビール…