「宿題は家でやりません」。たいていリビングのソファに寝転び、スマホで棋譜を見て過ごす=愛知県瀬戸市の自宅
公式戦29連勝の新記録を達成し、その後も順調に勝ち星を増やしている中学生棋士、藤井聡太さん。将棋への向き合い方について。普段の学校生活について。将来について。ご自宅を訪ね、じっくり、お話をうかがいました。
新時代の棋士、「研究」は夕食後のリビングで 藤井四段
藤井聡太四段に関するトピックス
――連勝が社会の関心を集めました。
率直に、運が良かったなと思います。はっきり形勢が悪い将棋がいくつもありました。
――22連勝目の阪口悟五段戦はミスが出て劣勢になり、逆転勝ちでした。
あれはやっちゃいましたね。途中は必勝だと思ったのですが、1手30秒の将棋とはいえ、こっちから転んじゃいました。
――納得のいかない将棋は他にもありますか。
本当に満足している将棋はありません。常に最善の手を指せるようにと思っていますが、「最善」が何かというのは難しい。今は「勝率を最大化する手」と捉えています。
――連勝のプレッシャーはありましたか。
自分の中では、連勝していてもそうでなくても関係ないと思っています。ただ、言っていただくので、多少意識はします。
――対局後、連勝記録について、毎回報道陣から質問されましたね。
指し手について答えるのは問題ないんですが、記録にはこだわりはないので、困っちゃうんですよね。いつも同じ答えをするのは、気が引けるので。
――「昼食で、なぜそれを注文したのか」などと質問されることもあります。
その日の気分ですね。対局に影響がある部分ではないので、なぜ注文したのかを聞かれても困りますね。
――対局中、「LOOK」という銘柄のチョコレートを食べていることも話題になりました。
《同席した母、裕子さん》私が前日に買いました。小分けになっているものの方が食べやすいので。
《藤井四段》板チョコだと割る必要があるので。加藤(一二三〈ひふみ〉)先生なら必要ないですけど。
――棋王戦、王将戦では今年度…