四国電力伊方原発3号機(手前)と、2号機(左奥)、1号機(右)=15日、愛媛県伊方町、朝日新聞社ヘリから、上田潤撮影
昨年8月に再稼働した四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、松山地裁(久保井恵子裁判長)は21日、県内の住民11人が運転差し止めを求めた仮処分の申し立てを却下した。原子力規制委員会の新規制基準や四電の安全対策に「不合理な点はない」とした。住民側は決定を不服とし即時抗告する方針。
伊方原発をめぐっては、昨年以降、広島、大分の2地裁、山口地裁岩国支部にも仮処分が申し立てられたが、うち広島地裁が今年3月に却下しており、続けて退けられたことになる。
伊方原発は国内最大規模の活断層「中央構造線断層帯」付近にあり、南海トラフ巨大地震のリスクもある。住民らは昨年4月の熊本地震を受け、「伊方付近でも地震のおそれがあり緊急性が高まった」として、再稼働に先立つ昨年5月に申し立てをし、計5回の審尋や書面で四電側と主張を交わしてきた。
争点は東京電力福島第一原発事…