江崎グリコの「ポッキー カラフルシャワー」。冷やしておいしい、あっさり味という(同社提供)
夏本番を前に、スーパーの食品売り場には、「冷たさ」を楽しむ商品が目立ってきた。冷やして飲むみそ汁や冷やして食べるためのポッキーなど、意外な商品も登場している。
伊藤園は缶入りの「冷やしみそ汁」と「冷やししるこ」(いずれも185グラム、税別希望小売価格120円)を、春夏限定で今年4月に売り出した。みそ汁はナメコ入り。みそやだしの組み合わせを工夫することで、さっぱりした味わいにした。しるこは角形の寒天入り。
冷たいみそ汁やしるこは自分でつくるとなると、まず温かい料理を作ってから冷ます手間がいるが、缶入りなら冷蔵庫で冷やせば良い。「伝統食を、夏も手軽に食して欲しいと考えた」と広報担当者。
ハウス食品の「冷やしカレーうどんの素」(180グラム、税別参考価格187円)も、冷蔵庫で冷やしてうどんにかけるだけ、という手軽さが売りだ。「柚子(ゆず)こしょう風味辛口」と「中辛」がある。スパイスの配合で、カレーの香りはしっかりするものの、後味がすっきりするように仕上げたのが特徴だ。猛暑の中で、加熱調理がいらないのも人気だという。
江崎グリコは6月、チョコレート菓子のポッキーシリーズに、レモンの酸味がきいた「カラフルシャワーレモン味仕立て」(1箱税別希望小売価格150円)を発売した。パッケージには、「冷やしておいしい」と書かれている。暑さでチョコが溶ける夏は、売り上げが落ち込みがちだ。そこでここ数年は、夏向けの商品開発に力を入れている。
一方、サントリービールは先月から、タレントがノンアルコールビール「オールフリー」に氷をたくさん入れて飲む新CMを流し始めた。味はこれまでとほぼ変わらないが、新しい飲み方を提案することで、売り上げを伸ばそうとしている。(近藤郷平)