西東京大会 日本学園―早稲田実 準決勝進出を決め、ナインと喜び合う早稲田実投手の雪山=神宮、林敏行撮影
(25日、高校野球西東京大会 早稲田実5―1日本学園)
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早稲田実の2年生エース雪山が巧みな投球でチームを西東京大会で4強に導いた。
雪山は直球は130キロ台だが、制球力が持ち味の投手だ。準々決勝の日本学園戦。三回に1点を失ったが慌てない。3点リードの五回2死二、三塁は内角の直球で二ゴロに打ち取る。八回2死一、二塁も追い込んでからのフォークで投ゴロに抑えた。「ピンチの場面で、狙ったところに投げられた」
早稲田実は新チームをスタートさせてから、清宮を中心に強打で勝ってきた。一方で核となる投手の台頭がなく、点を取っても取られる大味な試合をしてきた。今春の東京都大会、関東大会の失点は8試合で計56点だ。和泉監督は今夏に向けてあらゆる手を探った。現在、捕手を務める野村でさえ、救援投手としての可能性を考えるほどだった。それが5月、沖縄での招待試合で雪山を登板させると、その後も安定した投球を続けた。
迎えたこの夏、和泉監督は雪山のセンスにチームを託した。
雪山は中学時代は強豪チーム神戸中央シニアでエース。早稲田実では「投手が多い」ということで内野手でスタートし、今年の春まで捕手を務めていたが和泉監督は雪山のセンスの高さを感じていた。「投球に強弱をつけられる。走者が出ても打者と駆け引きができる。捕手をやらせていたのも、そういうところがあったから」
今大会は雪山が4試合すべてに先発し、3完投。計31回を投げて3失点とチームの原動力になっている。投手になって間もないだけに、スタミナ面の不安があるが雪山は「疲れたと言ってられない。これからも悔いのないボールを投げたい」と準決勝に向け、意気込んだ。=神宮(坂名信行)