コーナン南津守店の蚊取りグッズ売り場=19日、大阪市西成区
夏本番、蚊取り用品が活躍する時期となりました。殺虫スプレーや線香、ワンプッシュ式などいろんなタイプが出ていますが、やはり定番商品が根強い人気のようです。
特集:きりとりトレンド
背の高さほどある棚を埋め尽くす商品の数々。ホームセンターのコーナン南津守店(大阪市)では、まさに蚊取り用品の販売がピークを迎える。「これからが本番だが、売れ筋は去年とそう変わらない」(担当の岡野尚人さん)。コーナンでの販売数の上位には、ロングセラー商品が目立つ。
昔ながらの蚊取り線香の人気が高いのは、値段が手ごろで屋外でも使いやすいためだ。最も古いのは大日本除虫菊の蚊取り線香「金鳥の渦巻(うずまき)」で、もとになる商品は1902年の発売だ。アース製薬の「アース渦巻香(うずまきこう)」のブランドも40年から使われる。ここ数年は「線香のにおいが苦手」という人にも対応し、バラや森林といったように香りの種類も増えてきた。
アースの「アースノーマット」やフマキラーの「どこでもベープ」は薬剤などを取り換えて使うタイプ。本体を一度買って長年使うケースが多い。コーナンによると、どこでもベープはとくに中国系の観光客に人気だ。本体と薬剤がセットになった包装は「見た目が紅白で縁起がいい」と歓迎され、まとめ買いが後を絶たないという。
市場調査会社のインテージによると、蚊取り用品の16年度の売り上げは305億円で、12年度以降は少しずつ減る傾向にある。液体式や蚊取り線香が軒並み苦戦しているためだ。「アースジェット」「キンチョール」に代表されるスプレー式が唯一、売り上げを伸ばす。14年夏に蚊を介したデング熱の感染が広がったこともあり、触らずに駆除できるこのタイプが重宝されているようだ。(諏訪和仁)
■噴射力で狙い撃ち
アース製薬のハエ・蚊用の殺虫剤「アースジェット」は、ピストルの引き金のようなレバーで噴射させるため、動き回る虫も狙いやすい。噴射力が強く、ほかのスプレーより薬剤が届くスピードがはやいという。450ml入り、希望小売価格は410円。バラやラベンダーの香りもある。
■アロマの力 効き目長持ち
アース製薬の「アース渦巻香 アロマセレクション ジャンボ50巻缶入」は、バラ、ラベンダー、カモミールの三つの香りの線香が入っている。通常の線香は直径約12cmだが、ジャンボは約14cmで、効き目が12時間続くという。オープン価格。
■コンセントなしでもOK
フマキラーの「どこでもベープ未来150日セット」は、電池でファンを回し、薬剤を拡散させるため、コンセントがない場所でも使える。電池が切れるとランプが消え、電池と薬剤がセットになったカートリッジを交換する。希望小売価格は1400円。
■昔の香りに誘われて
大日本除虫菊の線香「金鳥の渦巻」(30巻缶入)は、化学合成の殺虫成分のほかに、当初使われていた除虫菊のエキスを入れており、懐かしさを感じさせる香りが特徴だ。海外でつくる他社製品が多いなか、国内生産しているため、値段はほかのメーカーより高めで、希望小売価格は1090円。
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コーナンでの売れ筋から選びました。価格は税別
■売れ筋ランキング
①アースジェット450ml入り2本パック
②アース渦巻香 ジャンボ50巻缶入
③アースノーマット取替えボトル60日用無香料2本入り
④キンチョール450ml入り2本パック
⑤アースノーマット取替えボトル90日用無香料2本入り
⑥キンチョール450ml入り(1本)
⑦アース渦巻香アロマセレクション ジャンボ50巻缶入⑧アース渦巻香バラの香り ジャンボ50巻缶入
⑨どこでもベープ未来150日セット(パールホワイト)
⑩金鳥の渦巻(蚊取り線香)30巻缶入
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コーナンでの3月~7月半ばの売れ行き上位。虫よけは除く。(きりとりトレンド)