各地の記念メダルでつくった日本地図と武部寿夫社長。今では手に入らない貴重なメダルもちらほら=大阪市住吉区、滝沢美穂子撮影
■「まだまだ勝手に関西遺産」
東京タワーで年間約8万枚も売れているおみやげをご存じですか。直径31ミリの真鍮(しんちゅう)製。表面に金めっきが施され、刻印機に挟めば、すぐに名前と日付を刻んでくれる。あの観光地や博物館、博覧会の会場などで売っている記念メダルのことです。
「勝手に関西遺産」特集ページはこちら
実はこのメダル、大阪市住吉区の従業員11人の「茶平(ちゃへい)工業」という町工場がつくっている。「大阪製のメダルと知ったらがっかりされるんでしょうけどね」。武部匡伸(まさのぶ)専務(43)が、そう言いながら笑った。
ここでつくられるメダルは東京タワーや通天閣、あべのハルカスはもちろん、北海道から沖縄まで全国約300カ所で販売され、年間の出荷枚数は100万枚にものぼる。
武部さんによれば、1966年ごろから大阪市内のボウリング場でメダルを売り始めたという。大阪万博で太陽の塔やパビリオンをモチーフにしたメダルを発売し、大ヒット。それから全国各地で売られるようになった。メダルは170トンの力で金型でプレスされ、様々な模様が刻まれる。期間限定品も含め、これまでに計約3500種類の記念メダルがつくられてきたそうだ。
かつて、ご当地土産の代名詞だ…