スパークリングワインやクラフトビールなどのメニューも充実させている=東京・松屋銀座
ビアガーデンのシーズンが今年も本格的に始まった。女性客の取り込みや、「リッチ」な空間を売りにする店作りが目立つ。
松屋銀座(東京都中央区)は25日、「美しくなるビアガーデン」の今季の営業を始めた。糖質ゼロの寒天の冷麺など高たんぱくで低糖質なメニューをそろえ、飲み放題が付いて5500円(税込み)から。アップテンポなBGMが流れ、ゆったり座れるソファも備えた。広報担当者は「男性客中心だった『昭和のビアガーデン』を一新し、女性も来たくなる雰囲気とメニューにした」と説明する。「女子会」などの利用を増やし、今年は昨年の10%増の売り上げを目指している。
ルミネ新宿店(東京)屋上の「ランドミートセンター」では、優雅なキャンプ「グランピング」も楽しめるコースを用意。1人1万円(税抜き)でテントに入ってシャンパンの飲み放題が楽しめる。テニスサークルの仲間3人で来た大学生(21)は「開放感があって、おしゃれ。写真をインスタグラムに載せたい」。
キリンビールのインターネット調査では、1人あたりのビアガーデンでの予算は4110円と4年連続で上昇した。飲食店検索サイト「ぐるなび」によると、ビアガーデンを営業する店舗数は2011年の調査開始から6年連続で増えた。
「ビール離れ」といわれる中、スパークリングワインなどビール以外の選択肢も増えているのが特徴で、各店は集客の工夫を競っている。ぐるなびの担当者は「ビール好きな人に加えて、若い女性のグループで楽しむ場としても利用されている」と分析する。(長橋亮文)