福井大会 敦賀―坂井 優勝を決めて喜ぶ坂井の吉田(右から2人目)ら=福井県営、小俣勇貴撮影
(27日、高校野球福井大会 坂井3―0敦賀)
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「本当に打てないチーム。大会前は、どうしようかと思った」。坂井を初の甲子園に導いた川村監督は、苦笑いで言った。ヒットエンドランを絡めた攻撃で小刻みに加点すると、左腕吉川が二回以降は無安打投球。決勝は投打がかみあった。
1点リードの二回1死三塁。スクイズもある場面で、ヒットエンドランを仕掛けた。吉田が外角球を必死に転がす。「1点でも多く取って投手を楽にしたかった」と吉田。打球を二塁手がはじき、適時内野安打に。七回は、無死一塁から仕掛けて遊撃手の野選を誘い、3点目につなげた。
川村監督は春江工時代の2013年春、4番で捕手の栗原陵矢(現ソフトバンク)を擁して選抜に初出場した。その時のチームは、「陵矢が攻守の中心。個々の力はない」という状況で、足を絡めた小技を多用した。
14年、坂井農などと再編され、坂井として再出発。発足した野球部のストッキングは紺色だった。川村監督は昨夏の福井大会の前に、春江工のチームカラーだったオレンジ色に変えた。「春江工の野球なんだから色も残すべきだ」。野球でも、春江工時代と同様に小技を磨くことを忘れなかった。
伝統を引き継ぎ、開校から3年目で福井の頂点に。川村監督はしみじみ言った。「今度は、みんなでつかみ取った甲子園です」=福井県営(小俣勇貴)