指導対局や交流対局を通じて腕を磨く女性たち=24日午後7時32分、大阪市福島区の関西将棋会館、安冨良弘撮影
将棋界の公式戦最多連勝記録を塗り替えた中学生棋士、藤井聡太四段(15)の活躍をきっかけに、女性の将棋人気が高まってきた。将棋ファンは男性が中心だったが、日本将棋連盟の主催する女性向け将棋教室には多くの女性が参加。インターネットTVの中継で対局を楽しむ“観(み)る将”の女性が増えるなど、新しいメディアの存在も追い風になっているようだ。
特集:藤井聡太四段
7月24日夜、大阪市福島区の関西将棋会館で、女性向け将棋教室の初級セミナーが開かれた。女性22人が参加し、藤内忍(とうないしのぶ)・指導棋士五段(42)とともに、ゲスト講師の大橋貴洸(たかひろ)四段(24)も講義した。授業時間は90分。「六枚落ち」の攻略法を説明した後、指導棋士に教わる指導対局と受講生同士の対局をこなした。
受講生から大橋四段に対し、「対局のときに水色のスーツをよく着ているが理由はありますか」「脱いでいた上着を着込むのは『もう負けた』と感じた時ですか」などの質問が相次いだ。質問した奈良市の主婦(53)は3~4年前に夫と将棋を始めたが、藤井四段の活躍をテレビで知り、インターネットTVで対局を見るようになった。「対局中の癖が気になる。棋士にはユニークな人も多く、将棋への興味が強まった」
連盟関西本部主催の女性向け教室は、30年以上前からスタート。毎週月曜に初級と中級クラスが開かれ、ほかに偶数月には駒の動かし方やルールを4回で学ぶ入門セミナーがある。6月の入門セミナーには定員15人に対し24人が申し込み、初級と中級だけでも6月の参加者は計109人に急増。連盟の担当者は昨年にプロ入りして以来、負け知らずだった藤井四段の活躍が影響しているとみる。連盟東京本部での女性向け教室でも、参加者はじんわりと増えつつあるという。
女性ファン拡大の背景には、ネ…