自分で作って食べる「枯山水」の和菓子の例=大阪市福島区福島1丁目
自分で作って食べる「枯山水」が人気を呼んでいる。大阪や神戸に3店舗を構える「Mamezo&Cafe(マメゾウ・アンド・カフェ)」のメニュー「箱庭スイーツ」。味わえて写真映えもするため、SNSを愛用する女性客らを多く取り込んでいる。
注文すると、20センチ四方の黒いお盆と、おはぎやわらび餅などの和菓子が詰まった2段の木箱、飾りの松などの小物が運ばれてくる。お盆の上に和菓子を置けば、自分なりの枯山水を作ることができる。
6月下旬。大阪市福島区の中之島店では、2組の女性3人グループがオーダーしていた。「まずグラニュー糖を均一に敷いてから自由にお菓子を置いてください」。店員から説明があった。
グラニュー糖は「庭の砂」になる。池のスペースを作ったり、丸いクッキー型などで波紋をつけたり。「砂」を敷いたら、コケに見立てた青のりつきのおはぎ、「岩」のわらび餅、「小石」のチョコレート、飾りの折り鶴や松などを自由に飾る。
「チョコレートの石で道を作ろう」「池の中におはぎの岩を置こうかな」。30分ほどで完成するが、1時間以上費やすこだわり客もいる。友人と3人で来た曽我瀬菜さん(27)は「楽しくてかわいい。お菓子を前に我慢するのは大変で、ちょっとつまんじゃいました」と満足そう。
「時間を忘れてくつろいでほしいと始めました」と中之島店の辻林静江店長。昨年10月、3店で始めると客らが作品をSNSで投稿して口コミで広がった。「すてきな和アート」などとシェアされ、外国人観光客も訪れるようになった。
飲み物とデザートがついて税抜き1540円。予約が必要。問い合わせは、中之島店(06・6453・6877)、大丸神戸店(神戸市中央区、078・331・7760)、Dew阪急山田店(大阪府吹田市、06・6831・2039)へ。(藤波優)