居眠りする姿もかわいい武家丸=仙北市角館町
国内外で人気が高まっている秋田犬。この夏も、秋田県内の観光地やイベントの集客に一役買っている。暑さは苦手でも、各地で引っ張りだこだ。
特集:どうぶつ新聞
仙北市角館町と言えば、春の桜や秋の紅葉が有名だが、夏も多くの観光客を引き寄せている「陰の立役者」がいる。武家屋敷通りにある工芸品店「さとくガーデン」の屋外で飼われている、秋田犬の「武家丸(ぶけまる)」だ。
観光客らの口コミやSNSでかわいらしさが広がり、テレビや雑誌など30近いメディアにも取りあげられてきたため、1年を通して人気者。角館を訪れた人はもちろん、訪れたことがない人にも有名だ。フェイスブックのフォロワーは890人いる。
武家丸は2014年7月に大館市比内町で生まれたオスで、翌8月に角館にやってきた。好物の鶏のささみやジャガイモを食べて大きく育ち、体重は来た時の3キロから、3歳の今は約30キロになった。
さとくガーデン社長の高橋佐知(さおき)さん(50)の家は、武家屋敷通りに住んで約100年になる元米穀商。武家丸の名は、妻で英会話教室を主宰するあゆみさんが命名した。
佐知さんは「今はあちこちで秋田犬を使ったPRが盛んだが、3年前はそうでもなかった。観光客が多い所に置けば、秋田犬の名前が全国に広く知られるようになるのではと考えた」という。
観光客は、武家丸を見つけると寄ってきて一緒に「自撮り」する。休日には撮影待ちの列ができることもある。定期的に遠方から会いに来る人も多く、インターネットで知って、米国・ニューヨークから来た女性もいたほどだ。
あゆみさんは「気に入って会いに来て下さる方々に、いつまでも愛されるよう、そのままの優しい犬でいて、角館のにぎわいと発展を静かに見守っていてほしい」と話している。(村山恵二)