盛岡大付―松商学園 七回表盛岡大付1死、代打菜花は遊撃内野安打で出塁後、代走が出され三塁コーチに向かう=柴田悠貴撮影
(16日、高校野球 盛岡大付6―3松商学園)
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盛岡大付の三塁コーチ、菜花(なばな)は自ら打って、その走者を本塁へかえした。
三塁コーチスボックスにいたときに仲間から「次だから準備して」と言われ、七回1死から代打で遊撃へ安打。一塁上で満面の笑みを浮かべたかと思うと、すぐに代走と交代し、再びコーチのポジションに向かって駆け出した。
次打者が右翼線二塁打を放つと163センチ、75キロの体ではねるようにしながら腕を回す。自分と代わった一塁走者が生還し、2点差にリードを広げた。
役割を大切にする。先発投手の三浦瑞に疲れが見えていると感じ、「代打があるならあそこかなと思っていた」と驚きはなかった。コーチスボックスでもも上げをしたり、腰をひねったり。準備は万全だった。
50メートル走は6秒4。足が遅いわけではないが「代走のスペシャリストもいる。自分が打って、代走は任せて良かった」と顔をほころばせた。
背番号3。昨秋は4番を打った試合もある。だが、指導者らが「チームの元気印」という菜花はいま、伝令役も含めて一桁番号で脇役に徹する。「試合に出なくても、チームを盛り上げることはできる。出たら、チームを勢いづけたい」。とっておきの切り札。3回戦も楽しみな存在だ。(上山浩也)