米韓の主な合同軍事演習
米韓両軍は21日から31日まで、朝鮮半島有事に備えた米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)」を韓国各地で行う。コンピューターを使い、有事のシナリオに基づいて戦術を確認する机上演習を主眼とする。軍事関係筋によれば、2年前からUFGで使い始めた新たな軍事作戦計画「5015」は、従来と異なり、北朝鮮の体制崩壊を目標に据えているという。
北朝鮮は最近、米韓が金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の殺害を狙っていると激しく反発。急ピッチで進める核・ミサイル開発の背景には、体制維持への危機感があるとみられる。北朝鮮がUFGを契機に、改めて好戦的な言動や軍事挑発を行う可能性が高まりそうだ。
米韓は従来、朝鮮半島での全面戦争を想定した軍事計画「5027」を保有。韓国防衛を目的として、反撃の際に北上する最終ラインを平壌と東海岸の元山を結ぶ線に定めていた。
だが、北朝鮮が大規模な食糧危機などで混乱した1990年代半ばから、北朝鮮の体制崩壊に備えた計画が必要だという声が米韓で浮上。99年に北朝鮮での内戦や政権交代など非常事態の基本的な想定と対処方針だけを定めた概念計画「5029」を作った。
新計画「5015」はこの「5029」を基礎に、実際に投入する兵員や武器の数などを細かく定め、実戦に使う軍事作戦計画に格上げしたものだという。
北朝鮮の侵攻を食い止める防衛…