山梨市議会で代表質問に答える望月清賢・前市長=2017年6月
山梨県山梨市の職員採用を巡って市長が試験結果を改ざんしたとされる事件で、警視庁は21日、受験者側から現金を受け取ったとして前市長の望月清賢(せいき)容疑者(70)=虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕=を収賄容疑で再逮捕し、発表した。容疑を認めているという。
捜査2課によると、望月前市長は2016年9~11月に行われた職員採用試験で、特定の男性受験者1人が有利になるよう便宜を図った見返りに、この受験者の親族ら2人から今年2月上旬に現金80万円を受け取った疑いがある。また同課は、有利な取り計らいを依頼し、現金を渡したとして、受験者の親族で公立中学校長の萩原英男(57)、住職の滝沢博道(73)の両容疑者=いずれも同市=を贈賄容疑で逮捕した。同課は2人の認否を明らかにしていない。
望月前市長は、採用試験の結果をかさ上げするよう採用担当職員らに指示し、文書を改ざんさせたとして虚偽有印公文書作成・同行使容疑で今月7日に逮捕され、13日付で辞職した。
市の採用試験は筆記試験などの1次試験と、市長ら幹部の面接や小論文などの2次試験を経て合格者が決まる仕組み。昨年の採用試験は57人が受験し、17人が採用された。
捜査関係者によると、複数の採用担当職員が同庁の事情聴取に、「(1次試験で)合格ラインを下回っていた受験者を引き上げるよう市長に指示された」と説明しているという。