土俵祭に参加した三役以上の力士たち。白鵬、稀勢の里、鶴竜が休場したため、横綱は日馬富士のみ=東京・国技館
3横綱不在で10日に初日を迎える大相撲秋場所(東京・国技館)。唯一の横綱日馬富士も万全とは言えず、3大関を中心に優勝のチャンスは広がりそうだ。
どすこいタイムズ
軸になる日馬富士は直近3場所の勝ち星が10、11、11。大崩れはないものの、両ひじなどのけがの影響もあり、4横綱では唯一1年以内に優勝がない。
加えて、在位30場所目で初めての「ひとり横綱」として連日結びの土俵に上がる。9日、土俵祭の後には「ちょっと緊張している」と本音をのぞかせた。ペースをつかむためにも、苦手の序盤を乗り切りたい。
仕上がりはカド番大関の豪栄道がいい。痛めていた右足首の状態は良さそうで、場所前の稽古では高安を圧倒する相撲が目立った。今年に入って2桁勝利はなし。カド番で全勝優勝した昨年秋の輝きを取り戻せるか。
高安は大関2場所目。名古屋で影を潜めた立ち合いの鋭さが戻るかがカギ。カド番の大関・照ノ富士は、手術した左ひざの回復具合に手応えを口にしている。
八角理事長(元横綱北勝海)は「下にとっては、横綱、大関との対戦が少なければ精神的にも違う。チャンスがある」と若手の躍進にも期待する。関脇御嶽海は2場所続けて2横綱を倒している。平幕では先場所初金星を挙げた北勝富士、新入幕から2場所連続10勝の阿武咲らが横綱、大関と対戦する地位にいる。
波乱はあるのか、それとも上位陣が意地を見せるのか。ちなみに、データは上位陣を後押ししている。15日制が定着した1949年夏場所以降、途中休場を含めて3横綱が不在となった場所は4度あるが、いずれも優勝者は横綱、大関から出ている。(鈴木健輔)
■横審委員長「辞めなさい、とは言わない」
大相撲秋場所(10日初日、東京・国技館)を休場する白鵬、稀勢の里、鶴竜の3横綱に対し、横綱審議委員会の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は9日、「責任と体を考え、難しい決断だと思う。けがは本人しか分からないし、任せるしかない」とし、横審として静観する姿勢を示した。また、「『出てこい』というのは精神論として成り立つが、休むくらいなら辞めなさい、とかそういうつもりはありません。休んだことの意味があるように、治して再起してほしい」と話した。
■翔天狼が日本国籍取得
西幕下41枚目の翔天狼(35)=モンゴル出身、藤島部屋=が日本国籍を取得したと、9日、日本相撲協会が発表した。2009年秋場所の東前頭2枚目がこれまでの最高位。11年に同郷の旭天鵬(現友綱親方)の妹と結婚した。