民間学童で開催された未就学児向けのイベント。スタッフが絵本を読む=東京都練馬区
待機児童は、保育園だけでなく、小学生たちが放課後を過ごす学童保育(放課後児童クラブ)でも大きな問題です。自治体が運営する公設学童では足りず、月5万円以上かかることが珍しくない民間学童にも希望者が殺到。0歳時から保護者が施設探しに動くケースも見られ、競争が過熱しています。
学童保育の待機児童も増加 調査開始以来最多1.6万人
東京都練馬区の民間学童「明光キッズ富士見台」。親に手を引かれた3~5歳の子どもたちが、続々と集まってきた。小学校に入るのはまだ先だが、入学後に利用する契約をすでに結んだ「プレキッズ会員」の子どもたちだ。
会員になるには、入会金や会費など年間2万円ほどかかる。それでも人気の秘密は、希望する施設の優先利用枠を確保できたり、未就学児向けのイベントに参加できたりするメリットがあるからだ。
ある日のイベントでは、クイズゲームやホットケーキ作りなどを楽しんだ。4歳の次女を参加させた母親(41)は「年会費はかかるけど、学童にも慣れてくれるし、預け先の不安を感じなくていいのはありがたい」と話す。
東京都内を中心に13施設を運営する明光ネットワークジャパンによると、最近は小学校入学前の予約を検討する保護者が急増。0歳児や1歳児の保護者からの問い合わせもあり、一部の地域で入会競争が激しくなっているという。
0歳児の時から保育施設に入れるための「保活」を経験した保護者が「枠を確保しておきたい」と考えるようだ。ニーズの高まりを受け、受け入れ側も態勢を整える。
首都圏の23施設を運営するキッズベースキャンプでも、3~5歳児向けの登録制度を設けている。今年は、すでに10施設でキャンセル待ちの状態。同社広報チームの三沢敦子さんは「保活で苦労した保護者ほど、学童探しに必死になっている。『とにかく安心したい』という声を多く聞く」と解説する。