神戸のGK金承奎(手前)は、至近距離でのセーブに加え、攻撃の起点となる正確なキックも得意
9大会連続でサッカーワールドカップ(W杯)の出場切符をつかんだ韓国代表の正GK争いがJリーグで繰り広げられている。一番手はアジア最終予選6試合に出場した神戸の金承奎(キムスンギュ)(26)だ。「Jリーグでいいプレーを続けることがW杯にもつながる」。最終予選ではほかに2人のJリーガーがプレー。さらに代表の座を狙うGKもいる。ライバルに負けじと、アピールを続ける。
韓国は5日にあった最終予選の最終戦で、ウズベキスタンとアウェーで対戦。負ければ予選敗退の可能性もあるなか、金承奎は安定したセービングでイラン戦に続き無失点。予選突破に貢献した。「勝てなかったのは残念だが、無失点は満足できる」。ほっとした表情で振り返った。
最終予選の10試合はJリーガー3人がゴールを守った。金承奎が6試合で4失点。鹿島の権純泰(クォンスンテ)(33)が3試合4失点、川崎の鄭成龍(チョンソンリョン)(32)が1試合2失点。さらにセ大阪の金鎮鉉(キムジンヒョン)(30)もベンチ入り。札幌の具聖潤(クソンユン)(23)はリオデジャネイロ五輪代表で、A代表をうかがう若手だ。
5人とも所属クラブでは定位置をつかみ、対戦の機会もある。金承奎は「GK同士が戦うわけではないので意識しすぎないようにしている」。一方、16日にあった神戸戦で、0―2で敗れた具聖潤は「(金承奎は)尊敬する先輩だし、プレーも勉強になる。自分も負けずに活躍したい」と話した。
韓国人GKが増えた背景には2009年に新設されたアジア枠の存在がある。それまで基本的に3人だった外国籍選手枠に加え、アジア連盟(AFC)加盟国・地域の選手1人の別枠が設けられた。Jリーグでは14年にGKの人材難でクラブ間の玉突き移籍が起きたこともあり、アジア枠を使って大柄な韓国人GKを獲得するクラブが相次いでいる。一方、韓国人選手にとっては近年、人気もレベルも低下気味のKリーグより、高年俸のJリーグのほうが魅力的なようだ。
韓国代表の関係者はJリーグの…