駅頭に立って有権者におわびをしながらチラシを手渡す豊田真由子氏(前右)=東武東上線志木駅南口
金銭をめぐる疑惑、不倫騒動、暴言、失言……。こうした不祥事で離党したり、要職を辞めたりした前職が、衆院選に向けておわび行脚を続けている。「脇が甘い」「一からやり直せ」といった声を浴びながら頭を下げ続けているが、政治家の資質をどう見極めるか、有権者もまた問われることになる。
豊田真由子氏「議員続けたい」 暴言問題、支持者に謝罪
山尾氏「私自身必死なので」 希望への合流コメントせず
特集:2017衆院選
「もう一度、国会で仕事でお返しするために精いっぱい頑張りたい」。民進党を離党し、愛知7区で立候補予定の山尾志桜里氏(43)は29日午前7時から、地元の駅前で演説に立った。用意したビラ300枚は全て受け取ってもらえ、追加した300枚もなくなった。
「週刊文春」で既婚男性と交際したと報じられたが、この日の演説では触れず、支持者向けの説明会では交際を否定し、「無所属の個人として、戦う力を貸してほしい」と訴えた。
しかし、逆風も強い。前回の衆院選で山尾氏に投票した瀬戸市の市民団体代表の男性(67)は「脇が甘いとしかいいようがない」。民進党時代に支援を受けていた連合愛知は今回、推薦を見送った。山尾氏は29日、「逃げ出さず、市民の中に飛び込んで行きたい」と語った。希望の党への合流については「今コメントする立場にない。私自身、必死なのでまだ早いのかなと思う」。
不倫問題で4月に経済産業政務官を辞任、自民党を離党した中川俊直氏(47)。広島4区で再起をめざす。
「猛省。未来へ。」「一から出直します」。27日には地元の駅前で、妻とともにこう書かれたチラシを配り、頭を下げ続けた。
6月下旬から地元でおわび行脚を続けるが、門前払いにあったり、厳しい言葉で責められたりすることもある。自民党が対立候補を擁立するほか、希望の党の動きもあり、祖父から3代続く議席を守れるかは不透明だ。
自らの「舌禍」も重くのしかかる。
元秘書への暴言と暴行疑惑で自民党を離党し、埼玉4区から立候補を予定する豊田真由子氏(42)は、今月中旬から公に姿を見せた。早朝から駅前でおわびする日々だ。
街頭では「あの『ハゲー』の人だ」と言われる。親子連れや若者から撮影を求められると、「心から反省し、全力を尽くします」と書かれたチラシを渡す。後援者の一人は「後援会組織が離れ、資金的な余裕もないはず。本人は駅立ちで有権者の反応を見極めているのだろう」と推し量る。
自民党の会議などで「(がん患…