12日、ホワイトハウスの会見室で記者からの質問に答えるケリー米大統領首席補佐官=ワシントン、ランハム裕子撮影
米ホワイトハウスのケリー大統領首席補佐官が12日、就任後初の記者会見を開いた。トランプ大統領との不仲もささやかれるなか、「今日は辞めない」と冗談交じりに不仲説を一蹴しようとした。元米海兵隊大将のケリー氏は「今までで最も難しい仕事だ」とも述べ、トランプ政権のかじ取りの苦悩も吐露した。
首席補佐官は大統領の日程やホワイトハウス職員を統括する官房機能のトップ。トランプ氏が7月末に前任のプリーバス氏を更迭、国土安全保障長官だったケリー氏が引き継いだ。
米メディアは、軍隊式の秩序を導入しようとするケリー氏がトランプ氏を制御できず、辞めたいと思っているなどと報じるが、会見冒頭、ケリー氏は「大統領と話したところだが、今日はクビにならないと思う。辞めたいと思うほど不満もない」と報道を否定した。
ケリー氏は「今までのなかで最も難しく、重要な仕事だ」とも語った。ただ、トランプ氏のツイッターを制御できていない、と問われると「新聞で、私が大統領の制御に失敗していると読んだ。言っておくが、この仕事に就いたのは、大統領がベストの決断を下せるように、大統領に伝える情報の流れを統制するためだ。大統領を管理するためではない」と反論した。
米国が直面する脅威に関し、北朝鮮とイランの核問題を挙げ、「こうした国々が核保有国となり、その衝動で、他の多くの国が核を開発・購入することだ」と強調。その上で「大統領が何度も我々に言っていることは、核兵器を10倍に増やすこととはまったく反対で、核を取り除くことが出来れば良いなあ、という言葉だ」と述べ、トランプ氏が核兵器を10倍に増やしたいと発言したという一部メディアの報道を否定した。(ワシントン=土佐茂生)