甲子園の中堅にそびえ立つ電光掲示板。その右側にある球速表示に「150」を超える数字が出れば、観客はどよめく。そんな光景が見られるようになったのは、2004年春からだ。 投稿とともに甲子園の思い出を語る「白球百景」 動画もニュースもバーチャル高校野球 豪速球は野球の華。その数字で夏の甲子園を最初に沸かせたのは、05年の87回大会に出場した大阪桐蔭のエース辻内崇伸だった。 1回戦の春日部共栄(埼玉)戦、左腕の投じた第1球が捕手のミットに収まる。背後の掲示板には「148キロ」。辻内には見えてはない。が、観客のざわめきが耳に入る。この打者を三振に仕留めた直球は152キロをマークした。ざわめきは大歓声に変わった。 甲子園にスピードガンが設置されたのは1992年。だが、その後の12年間は「スピードを競うのは高校野球としてふさわしくない」などとして表示されなかった。 この理由は、辻内にも当てはまる部分があった。17歳の心は、スタンドとは別の意味で揺れていた。「すごい盛り上がりで。次は捕手だけを見ようと思ったら、視界に入ってきたのはバックネット裏のお客さん。捕手が遠く感じました。その後は、よく覚えていません」。29歳になった辻内は、こう振り返る。 世代屈指の左腕は大会前から決めていた。「絶対掲示板は見ない」。大阪大会から報道陣に聞かれるのは球速のことばかりで、うんざりとしていた。「速い球は持ち味だけど、投手はそれだけじゃない」。だが、決意とは裏腹に、制球は乱れる。6四死球を与え、2暴投。五回途中で1年生の中田翔=日本ハム=にマウンドを譲った。 辻内は、「あんなみっともない試合はもうしたくない」と誓う。2回戦までの短い期間、毎日200球近く投げ込んだ。意識したのは、心の持ちよう。「球速はただのバロメーター」と無心で打者に向かうことに努めた。2回戦の藤代(茨城)戦では151キロを計測しつつ、当時の大会記録に並ぶ19奪三振。3回戦の清峰(長崎)戦では、自然に最速の152キロが出た。本来の投球を取り戻し、4強入りの原動力になった。 夏の甲子園では2007年の89回大会で仙台育英(宮城)の佐藤由規=ヤクルト=、13年の95回大会で済美(愛媛)の安楽智大=楽天=の2人が最速となる155キロをマーク。09年の91回大会で花巻東(岩手)の菊池雄星=西武=が辻内を上回る154キロで左腕最速を記録した。12年には花巻東の後輩、大谷翔平=日本ハム=が岩手大会で160キロをマークした。 辻内はプロ野球巨人での投手生活を経て、現在は女子プロ野球の埼玉アストライアでヘッドコーチを務める。豪速球を投げられるが故に悩まされた体験を、「甲子園が自分自身を成長させてくれて、人生が変わった」と言えるようになった。そして、プロ入りのきっかけになった球速について、考え方も変わった。「やっぱり速球は野球の魅力のひとつ。速い球を投げられればヒーローになれるし、ファンもそれを求めている」(小俣勇貴) |
大阪桐蔭・辻内、豪速球の悩み 球速表示は見ないと決意
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