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(中西哲生コラム)久保建英で気づく、日本の根本的課題

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スポーツジャーナリストの中西哲生さん


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インドで行われたサッカーの17歳以下(U17)W杯は、28日に5―2でスペインを破ったイングランドの優勝で幕を閉じました。日本は決勝トーナメント1回戦でそのイングランドに0―0からPK戦での敗北。後半は試合を支配する時間もあり、善戦しました。


■彼あっての善戦だった


こう書くと、日本の若い世代はかなり進化してきている、と感じるかもしれません。ただFC東京でJリーグデビューを果たしている、16歳の久保建英の存在がなければ善戦は難しかったでしょう。そこから見えてくる日本の若年層の課題として取り組まなくてはならないことは、まず久保のような特別な能力を持った選手を再び生み出すことです。


今まさに、久保というサンプルケースがあります。体が大きくなくても、体重が軽くても、イングランドを相手に、狭いスペースでボールを受け前を向く。彼がボールを持った瞬間、イングランドにとって非常に厄介な存在になったはずです。体重が軽いだけに、相手からすれば不用意に当たればファウルになりやすく、危険な場所でFKを与えることになります。相手の守備陣の間にうまく入りこみ、マークがあいまいになりやすいところでパスを受ける方法や、ボールをピタリと止める技術。前へ向くための体の反転のさせ方、バックステップの踏み方など、彼から学べることは山ほどあります。


■ビルドアップの質が大事に


彼ほどの技術や思考がなくとも、相手ディフェンスラインの前で、前を向く可能性を上げられます。それには、ビルドアップのクオリティーを上げることです。前線の選手にボールを入れるまでに、相手守備に“ズレ”をつくれば、前線で時間とスペースを確保することができるようになります。


そのためのポイントは、GKからセンターバック、センターバックからサイドバック、サイドバックからボランチ、ボランチからその前への「つなぎ」の中で、目の前の相手をはずす作業を一人一人がする必要があります。例えば、センターバックからボールを受けたサイドバックが外側に止めるふりをして内側に止めるなどです。


そうやってボールを持っている方が有利な体勢で前へ運べれば、相手はボールを奪いにいくことが難しくなります。ビルドアップの中で自分が相対している選手に足を出させず、寄せられない状況にしたり、後ろを向かせたりするなど、相手を後手に回らせるプレーができれば、前線の選手がボールを受ける時、マークしている相手がプレッシャーをかけにくくなり、久保ほどの能力がなくとも前線でボールを受け、相手ディフェンスラインの前で前を向くことが可能となるのです。


■「責任回避」のボール回しは時代遅れ


では攻撃の組み立て、そのパスのつなぎが実際はどうなっているのか。それはミスをしてボールを失い、自分が失点の責任にならないための「責任回避」のボール回しとなっています。よって後ろから相手守備の「ズレ」をつくることができず、良いビルドアップになっていません。これまで目の前の相手をはずすプレーは、主に攻撃の選手に求められてきました。しかし今はもう、そういう時代ではありません。効果的なビルドアップのためにディフェンスライン、もしくは究極的にはGKの段階から、相手守備の「ズレ」をつくれるようなビルドアップが求められるのです。


しかし若年層では、技術の高くない選手が後ろのポジションに配置されがちです。すると相手の前線からのプレッシャーに対して、ボールを失ってはいけないと、すぐ前方に大きく蹴り出してしまいます。そこも大きな問題の一つです。


その解決方法として、欧州ではいくつかの試みがすでになされています。アイルランドでは9歳までの試合では、グラウンドを3分割したゴール前のエリアでGKやDFがボールを持った時は、最初に味方にパスが渡るまで、相手側がそのエリアに入ってはいけないというルールがあります。失点した時もキックオフではなく、GKから試合が再開されるというルールもあります。


イングランドのマンチェスターでも、GKがボールを保持している場合、相手チームはまず自陣に帰らなければならず、GKは味方にパスをしなければいけないというルールを採用しています。いずれも、後ろからボールを蹴ってしまう状況をつくらないようにし、ジュニア世代からビルドアップを促進するための試みです。


日本人は責任回避を第一に考えるところがあり、失敗を極端に怖がります。しかし、後ろから責任回避のビルドアップをしていけば、前線の選手は四面楚歌(しめんそか)の状況でボールを受けることとなり、結果として久保のような選手に対して「何とかしてくれ」というボールがいくのです。もし今回のように、そこで久保が何とかしてくれれば、一流国相手に善戦する可能性はあります。しかし、1点も奪えなかったのも事実です。久保がペナルティーエリアの中で何度か、良い角度で決定的なチャンスを迎えていれば、優勝したイングランド相手に1―0で勝つ可能性もあったはずです。


GKからの「つなぎ」を決して責任回避ではなく、正真正銘の攻撃の組み立て=ビルドアップにする必要があります。もちろんそこには若年層の指導者が、相手に対して「ズレ」を作れるトラップやドリブルの技術を子供たちに伝えることや、それと同時にミスに対して寛容であることも重要です。そしてビルドアップに対して、ある程度の時間とスペースを与えてくれるルール作りも必要かもしれません。


久保という存在の誕生を喜ぶのではなく、その存在が生まれたからこそ改めて気づく根本的な課題。それにすぐ着手できる柔軟な思考とスピードも日本の大きな課題です。ここ数年、世界のサッカーはどんどん進化しています。そこにあるのは、今までにない新しいサッカーの概念や定義や言葉に対する圧倒的なスピードでの対応と、あらゆる取り組みの枠組みをも変える柔軟性です。


果たして日本サッカー界は、世界のサッカーの急激な進化のスピードに、ついていけるのでしょうか。それとも、さらに離されてしまうのでしょうか。



なかにし・てつお 1969年生まれ、名古屋市出身。同志社大から92年、Jリーグ名古屋に入団。97年に当時JFLの川崎へ移籍、主将として99年のJ1昇格の原動力に。2000年に引退後、スポーツジャーナリストとして活躍。07年から15年まで日本サッカー協会特任理事を務め、現在は日本サッカー協会参与。このコラムでは、サッカーを中心とする様々なスポーツを取り上げ、「日本の力」を探っていきます。



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