秋季リーグ戦の立大戦の一回、東京六大学歴代3位となる通算21号本塁打を放った慶大の岩見
東京六大学リーグ戦優勝。シーズン最多タイの7本塁打を放ち、通算本塁打数はリーグ歴代3位の21本に。さらにプロ野球ドラフト会議で楽天2位指名。慶大の4番岩見雅紀(4年、比叡山)が注目を集めた秋だった。彼がこだわり続けてきたのは「挑戦」することではなく、その先を見据えて「超越」すること。その言葉に込められた意味とは――。
通算14本塁打で迎えた学生最後のシーズン。岩見は「10本塁打」を目標に掲げた。10発打てば、慶大の先輩である高橋由伸(現巨人監督)の通算23本塁打を超えるリーグ新となる。「(記録に)挑戦するのではない。『挑戦』だと限りがあるように感じるから」との言葉が印象的だった。
■1年生記者が見た「書き初め」
その言葉を聞いて思い出したのが、岩見の母校である滋賀・比叡山高の室内練習場だ。野球部員が書き初めのように意気込みや目標を書いて貼っている。岩見が高校3年だった春、入社1年目の総局記者として、同校野球部を取材した。岩見が書いていた言葉は「超越」だった。どういう意味が込められていたのか、ずっと聞きたいと思っていた。
しかし、岩見は高校時代のこと…