大阪桐蔭―京都翔英 二回表大阪桐蔭1死 右越えにソロ本塁打を放った藤原。捕手鈴木=シティ信金スタ
高校野球の秋季近畿大会は31日、大阪・シティ信金スタで1回戦があり、来春の第90回選抜大会で大会連覇を目指す大阪桐蔭(大阪1位)が京都翔英(京都2位)を12―0で下し、8強入りした。
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15安打12得点で大勝した大阪桐蔭打線。それでも西谷監督は、「まだまだです。残塁も多いし、言い出したらきりがない」と厳しい。特に注文をつけたのは、U18(18歳以下)日本代表にも選ばれた1番藤原だった。「もっともっと、やってほしい。チームを勢いづける存在になってほしい」
二回の第2打席で京都翔英・遠藤の低め直球をとらえ、高校通算21本目となる右越え本塁打。三回1死一、三塁ではフォークを右手1本で拾って右前へ。技ありの一打も見せて5打数2安打2打点をマークしたが、藤原自身も「全然まだまだ。当てにいっている。理想のバッティングじゃない」と満足しなかった。
納得できない理由は、監督の発破にある。「10の10打て。最低(打率)8割」。このとんでもなく高いハードルをこの半年、求められてきた。そして、監督が付け加えるのはOBの森友哉=現西武=の存在だ。「森はもっと打っとった。3打席で2本。調子の悪いときで絶好調の(前主将の)福井」。同じ左打者の先輩と比べられ、藤原は痛感する。「西谷先生が褒める選手はほとんどいない。もっと頑張らないと」
26日にあったプロ野球ドラフト会議では、日本代表でともにプレーした清宮(東京・早稲田実)や安田(大阪・履正社)がドラフト1位で指名された。「まだ足元にも及ばないけど、絶対先輩たちを超えたい」とプロへの思いも隠さない。すでに走攻守3拍子がそろった外野手として注目されているが、「まだまだ。練習していて嫌になることが多いくらい」と藤原。この向上心の強さが、選抜連覇を目指す桐蔭打線を引っ張っていく。(小俣勇貴)