福岡・天神で4月、金塊取引のための現金約3億8400万円が奪われた事件で、強盗致傷容疑で関東や関西で逮捕された7人の中に、福岡県内に地縁がある男が数人いることが1日、捜査関係者への取材でわかった。現場周辺に土地勘があったとみて、県警が犯行時の役割分担などについて調べている。
強盗致傷容疑で逮捕されたのはいずれも職業不詳の平井啓太(25)、東房(とうぼう)義昭(44)、徳永賢司(25)の各容疑者ら。7人は10月31日に東京や埼玉、大阪でそれぞれ逮捕された。
捜査関係者によると7人のうち3人は住居不詳だが、いずれも関東や関西に生活拠点がある。この中に福岡に地縁があり、現場周辺に土地勘がある男が2人ほどいるという。
これまでの調べで、男らは4月20日午後0時25分ごろ、福岡市中央区天神1丁目の駐車場で貴金属関連会社の男性(29)から3億8400万円入りのスーツケースを奪い、白いワゴン車で逃走。現場から細い路地を出て右左折を繰り返し、幹線道路の県道(通称・渡辺通り)を走行したのを確認した。さらに現場から約1・5キロ離れた福岡市中央区春吉2丁目の細い脇道を通る様子が、付近の防犯カメラに記録されていた。
県警は、ワゴン車が人目につきにくい細い脇道を選んで逃走していたことから、犯行グループに現場付近の地理に詳しい男がいるとみて調べていた。(菅原普)