すかいらーくが展開するから揚げ専門店「からよし」の看板(アークランドサービスホールディングス提供)
とんかつ店チェーン「かつや」を展開するアークランドサービスホールディングスは15日、外食大手のすかいらーくに対し、から揚げ専門店の看板などの表記を使わせないよう求める仮処分を東京地裁に申し立てた。すかいらーくが先月出店を始めたから揚げ専門店の看板やメニューが、アークランドが開発した新業態のから揚げ専門店と酷似していると主張している。
アークランドは2014年以降、から揚げを扱う新業態として、店内での食事や持ち帰りができる「からやま」を展開。10月末現在、首都圏や愛知県、海外などに28店舗を出している。白地に黒のひらがなで店名を表現した看板が特徴だ。
すかいらーくも今年10月、から揚げを扱う専門店「からよし」をさいたま市と東京都小平市に出店。3店舗目は「から好(よ)し」の店名で、神奈川県小田原市に出店した。アークランドは「からよし」などの看板が「からやま」の色使いや字体と似ていて、「お客さまが混同する」と指摘し、不正競争防止法などに抵触していると主張している。
同社は定食メニューも酷似していると主張。「からやま」の「からやま定食」はから揚げ4個入りの「梅」(税抜き590円)、5個の「竹」(同690円)、6個の松(同780円)の3種類。すかいらーくによると、「からよし」などの定食も、から揚げを4~6個から選べて価格も同じだという。「からやま」はイカの塩辛や大根の漬物をテーブルに常設し、客が自由に食べられるが、「からよし」なども同様の取り組みをしている。
アークランドは「明らかに模倣している」として、提訴も検討中。すかいらーくは「内容が確認できていないため、コメントを差し控える」としている。(高橋末菜)