辺野古周辺の漁業権のイメージ図
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設工事が進む名護市で、地元の名護漁協とは別に、住民らが新たな漁協を立ち上げる。名護漁協が漁業権を放棄した埋め立て予定区域も含めて漁場として申請する方針。県が漁協設立と漁業権を認めれば、工事の進捗(しんちょく)に影響する可能性がある。
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特集:辺野古移設
名護市東海岸の沖合は、広い範囲で漁業権が設定されていて、名護漁協が漁業権を持つ。このうち辺野古の埋め立て予定区域一帯は、名護漁協が漁業権を放棄。国はこれで「漁業権がなくなり、海底を壊す際に必要な知事の岩礁破砕許可は不要になった」として、護岸工事を始めている。
新漁協をつくろうとしているのは、名護市東部の住民でつくる「名護市東海岸活用推進委員会」。水産業協同組合法が定める漁協設立要件の発起人20人以上はすでに集まっており、16日に市内で創立総会を開き、来週にも県に設立の認可申請をする。
発起人は、名護市の東海岸で個人で漁をしている人らで、名護漁協が放棄した区域を含めた海で漁をしたい考えだ。久志常春委員長は取材に「水産資源を東海岸の住民が共有できるように権利を確立し、海を守り育てていきたい」と話す。新漁協設立のねらいについては「政治的な意図はない」と説明する。
水産業協同組合法は、発起人2…