全日本スキー連盟は4日の理事会で、米国合宿中に大麻を使用したとして昨年4月に競技者登録の無期限停止処分を下したスノーボード男子選手(当時未成年)の処分解除を決めた。だが、現在の規定ではシーズン途中での強化指定は受けられない。このため、選手本人の平昌五輪出場の意欲は強いが、五輪選考対象のワールドカップ(W杯)には参加することができず、五輪出場への道は今のところ開けていない。
大麻使用のスノボ選手、復帰へ 処分解除の見通し
同選手は、国際大会で入賞実績を持っているが、処分後に連盟が課した更生プログラムを途中離脱。ただ、本人の謝罪を受けて10月にプログラム復帰が認められ、以降計6度の聞き取り調査に応じたり、ボランティア活動に取り組んだりしていた。
理事会の方針は、法曹関係者らで作る第三者委員会「更生評価委員会」の処分解除を求める報告を受けたもの。競技者登録された後も今後1年間は日誌の記入を義務づけ、定期的に聞き取りも行っていくという。
平昌五輪に出場するには、強化指定を受けたうえでワールドカップに出場し、成績を残すことが条件となる。だが、皆川賢太郎競技本部長は「シーズン途中で強化指定に入れるルールはなく、特例は作らない。連盟として曲げることはない」とし、処分が解除されても五輪出場は絶望的との見方を示した。
この選手と同時に処分を受けたもう一人の男子選手は、更生プログラムを離脱することなく、すでに4月に解除されている。