政府は、私立高校の授業料の一部無償化を2020年度から実施する方針を固めた。年収約250万円未満の住民税の非課税世帯は実質無料とし、そのほかの低所得世帯も負担軽減策を上乗せする。
高校の授業料は現在、公立高校では年収約910万円未満の世帯で無料だが、授業料が高い私立高校は無料ではなく、所得に応じて支援金を加算し、負担を軽減している。
このため、この支援金について、住民税の非課税世帯では、私立高校の平均授業料(年約39万円)まで全額を支給し、実質的に無償化する。年収約350万円未満の世帯は年35万円、年収約590万円未満では25万円まで支給し、拡充する考えだ。
私立高校の無償化については、公明党が衆院選で年収590万円未満の世帯での実現を公約に掲げていた。だが、実施には年約650億円の追加予算が必要になる。このため、政府は歳出改革などにより約350億円を確保し、20年度から一部を実施することにした。ただ、公明党は引き続き、公約の完全実施を要求していく方針だ。
一方、安倍晋三首相が衆院選で公約に掲げた年2兆円規模の政策パッケージの原案も判明した。勤続10年以上の介護福祉士で月額平均8万円の賃上げをするほか、保育士は人事院勧告の賃上げに加え、1%(月3千円相当)の賃上げをする。介護職員の処遇改善は19年10月から、保育士は19年4月から始める。